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※掲載情報は2020年10月時点のものです。
第04回 その他

【素材紹介】硬い!早い!安い!
   焼き入れ不要の「NAK材」をご存知ですか

突然ですが、高硬度の鋼材の一つ「NAK(ナック)材」をご存知ですか。
2019年8月に、meviy「切削プレート」の新素材として追加されましたが、聞きなれない方も多いのではないでしょうか。
「硬い」「早い」「安い」の3大特長があり、時間・コストと戦う設備設計者に、ぜひ使っていただきたい素材です。

NAK材が分類される「高硬度」とは

代表的な硬さの単位「ロックウェル硬さ(以下HRC)」で28~48HRC、「ブリネル硬さ(以下HB)」で270~450HBに該当するものを、高硬度と呼びます。

【硬度の比較と該当する代表的な素材例】表1
  ロックウェル硬さ(HRC) プリネル硬さ(HB) 代表的な素材例
軟材 - 110~125 アルミ合金A5052
中硬度 ~22 160~235 炭素鋼S50C
高硬度 28~48 270~450 プリハードン鋼NAK55
超高硬度 52~65 (500) ダイス鋼 SKD11
軸受鋼SUJ2(焼き入れ)

硬い素材としてよく採用される「熱処理材(焼き入れ材)」は、「超高硬度」に分類されます。一般的に、硬度が高いものほど素材自体の価格が高く、加工時間も長くなるため加工賃も高くなります。

高硬度材をご存じない方では、本来はそこまで硬度を必要としない部品までも、「超高硬度」で調達し、時間もコストも無駄にしているかもしれません!

硬い!早い!安い!「NAK材」とは?

2019年8月にmeviy「切削プレート」に素材追加された「NAK材」は、「高硬度」に分類される素材です。金型業界では一般的に使用される信頼性の高い素材で、熱処理をしなくても一定の硬さを持ち、かつ、加工性が高い特徴から、硬い!早い!安い!の3拍子が揃った素材といえます。
熱処理材をNAK材に置き換えることで、時間とコストを削減できるかもしれません。

特長1 硬い

  • メーカーで熱処理済みの材料だから、最初から一定の硬度を持っている
  • 金型業界では、部品同士がぶつかり摩耗しやすい箇所で採用されている

特長2 早い

  • 加工屋さんが受注後に行う「熱処理工程」や、高硬度材に必要な研削加工が不要なため、短納期で調達可能

※熱処理工程:焼入れ・焼もどし・焼なまし・焼ならし など

特長3 安い

  • 熱処理工程、研削加工といった加工がない分、安く購入可能
  • 後加工が必要になったとき、社内の切削やマシニングで加工ができ、余計なコストがかからない

meviy「切削プレート」における、商品規格

自動見積もり可能サイズと納期

最小サイズ  10mm × 10mm × 5mm
最大サイズ 300mm × 300mm × 70mm

【その他の注意点】

  • 表面処理品は対応しておりません
  • 材質は以下を使用します(確実納期実現のため)
    - NAK55  メーカー:大同特殊鋼(株) 硬度:37~43HRC
    - HPM1   メーカー:日立金属(株)  硬度:37~41HRC

※MSDSをご希望の方は、発注後meviyサポートまでご連絡ください。

「NAK材」いかがだったでしょうか?

高硬度を求めるなら熱処理材しかない、納期やコストがかかるのを諦めていた。
熱処理材ほどの硬度は必要ないが、ちょうどいい硬度の鋼材を知らない。
硬度材を調べる時間がないから、摩耗が激しく交換頻度が高いいつもの素材を採用。

そんな想いや悩みを抱えている方には、とってもおすすめの「NAK材」です。
ぜひ、ご利用ください!

参考:技術情報一覧

NAK材と熱処理品の比較

※下記特性値は参考値であり保障値ではありません

材質 熱処理(℃) 機械的性質の代表値 物理的性質の代表値
引張り強さ
(N/mm2)
耐力
(N/mm2)
伸び 硬度 比重
(20℃時)
(g/cm3)
線膨張係数
(20~100℃)
(× 10-6/℃)
HRC HB
NAK55 - 1255 981 15% 37~43HRC (344~400HB) 7.8 12.5
HPM1 - 1215 1010 10% 37~41HRC (344~381HB) 7.8 11.4
S50C 焼きならし 810~860 空冷 610以上 365以上 18%以上 (8~22HRC) 179~235HB 7.87 11.7
焼鈍 約800 炉冷 - - - (0~10HRC) 143~187HB
焼入れ 810~860 水冷 740以上 540以上 15%以上 (18~29HRC) 217~277HB
焼戻し 550~650 急冷

※括弧は硬さ換算表(SAE J 427 * 1983年改訂)

NAK材と熱処理品の加工工程の違い

NAK材の加工条件

D:工具径

加工 加工工程 工程材質 切削速度
m/min
送り
mm/1刃
切込深さ
mm
旋削加工 荒加工 超硬(コーディング) 40~60 0.7mm/rev 6~8
仕上げ 超硬(コーディング) 40~60 0.7mm/rev 2~3
フライス加工 荒加工 超硬 80~90 ≦0.12 ≦3
超硬(コーディング) 100~120 ≦0.15 ≦4
エンドミル加工 荒加工 超硬 30~35 ≦0.12 0.25D(径方向)
2D(軸方向)
仕上げ 粉末ハイス 20~25 ≦0.10 0.2D(径方向)
2D(軸方向)
ドリル加工 - Co系ハイス 12~15 0.05~0.2 -
タップ加工 - 高V系ハイス 5 - -

【調質鋼材の加工に関して(NAK55など)】
https://jp.misumi-ec.com/tech-info/categories/machine_processing/mp01/b0050.html

【高硬度材の加工に関して(熱処理材など)】
https://jp.misumi-ec.com/tech-info/categories/machine_processing/mp01/b0001.html

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