Meviy FA
<< TOPに戻る
※掲載情報は2020年10月時点のものです。

【meviy FA開発者も驚いた】工夫を凝らした部品シリーズ

「こんな設計があったのか」とmeviy FA開発者も驚いた部品を、シリーズでご紹介します。
今後の設計に活かせるかも!?ぜひチェックしてみてください。

特別版はこちら

第30回

今回は、Y字型の左の図の部品。
エアーブロー工程の中で解消したい課題があり、この部品を製作したそうです。その課題とは次のどれだと思いますか?

1.エアーで汚れがよく取れず、工数がかかってしまう
2.エアーが強すぎて、ワークが動いてしまう
3.エアーが一部だけにあたり、ワークが乾燥しすぎてしまう

答え:『1.エアーで汚れがよく取れず、工数がかかってしまう』

この部品は、エアーブロー工程の際にエアーノズルを固定するためのステー部品で、赤枠部分(図1)の長穴3ヶ所にノズルを差し込み、エアーブローを行うそうです。

改善前は、1度のエアー吹き付けでは汚れが残るので、ワークの位置を変えて作業を行っていましたが、工数がかかってしまうため、いかに早く汚れを取るかが課題でした。

まず、複数方向からエアーの吹き付けを可能にするために、ノズルを差し込む穴を3ヵ所に設計。さらに、ノズル穴を長穴にし、エアーの位置や角度も調整できるようにしたことで、ワークの位置を変更せずに作業が可能になりました。

まだ試作段階のため、今後も汚れが一番よく取れる方向や角度を試しながら探していくそうです。それに合わせて部品形状や、長穴の位置・大きさも調整していく予定なので、meviy FA の「図面作成の必要が無く、すぐに部品調達ができる点」は部品を最適な形状にしていく上で役に立っているそうです。

日々の細かい作業の中でも改善を加え作業効率をあげていく、そんな努力を感じる部品でした。

第29回

今回は、アルファベットの「q」に見える左の図の部品。
はんだ付け用ロボットの先端部分に使用する部品だそうです。中央部分に大きく開いている穴は、何に合わせて設計してあると思いますか?

1.ロボットアームの太さ
2.はんだごての太さ
3.カメラのレンズの大きさ

答え:『3.カメラのレンズの大きさ』

この部品は、ロボットの先端部分にカメラを付けるための接続部品の一部です。中央部分の穴は、はんだ付けの位置精度を上げるために付ける、「部品位置の検出用カメラ」のレンズの大きさに合わせて設計されています。

アルファベットの「q」のような形状になった理由は、他の部品との干渉を避けるため。ロボットの先端部分には、この部品の他にもはんだ付けをするために必要な部品が付いているので、それらの部品と「適切な距離を保ち」つつ、「干渉しないよう」にした工夫だそうです。

さらに、今後カメラ用の「照明」も追加で付ける可能性を考え、先を見越して取り付け用に4つの穴も設計したそうです(図1赤枠)。

このロボットは立ち上げ段階のため、この事例で触れたカメラの他にも追加や変更が多々発生しているそうです。試作や立ち上げには、臨機応変さが必要だと感じられる部品でした。

第28回

今回は左の図の部品。
特殊な形状をしていますが、どんな用途で使う部品だと思いますか?

1.電子部品のコネクタ補強
2.自動車用ベアリングの固定
3.ドローンとプロペラの接続

答え:『3.ドローンとプロペラの接続』

この部品の用途は、「ドローンとプロペラの接続」です。(図1)のように左右の大きな円状の穴部分で2枚のプロペラを接続し、別の部品で挟んで固定します。裏側にはモータ部分が接続され、モーターからの力を受けてプロペラを回転させる重要な部品になります。

ドローンが「空に浮くモノ」という性質上、「強度」と「軽量化」に最も時間をかけたそうです。双方のバランスを考えながら設計を行い、meviy FAにアップロードしてみて、エラーが出た箇所を修正。この作業を繰り返し行い最適化していくことで、形状を複雑からシンプルに変更していったそうです。

特に「軽量化」しながら「摩擦抵抗」を考慮することに苦労をされたそう。(図2)のプロペラとの潤滑部分である円状のくぼみは、軽量化を考え設計したそうですが、緩すぎるとプロペラが外れてしまったり、きつすぎると部品に負荷が掛かり破損の恐れや、機体が振動して安定した飛行に繋がらないなどのリスクが生じます。この摩擦抵抗を考慮しながら、さらに軽量化も意識して修正を繰り返した結果、最適な形状が完成したそうです。

今ではよく目にするドローンを使った映像や高所での作業は、設計者の方が「より高く、遠くに、安全にドローンを飛ばす」ため、試行錯誤を重ねた結果だということを感じました。

第27回

今回は左の図の部品。
これは、配管パイプをロウ付けする作業で使われる治具の一部品です。設計において一番工夫したポイントは、以下の3つのうちどれだと思いますか?

1.形状を箱状にする
2.長い側面部分の、穴の数を8個にする
3.側面の1か所だけ、曲げの角度を88°にする

答え:『3.側面の1か所だけ、曲げの角度を88°にする』

この部品は治具の中心となるベース部分で、配管パイプ同士(ワーク)をロウ付けし、組み立てる作業で使用します。
図1の赤線で囲った面に対して丸棒を図2のように入れてねじ止めし、さらに「ワークを支えるための部品」を組み合わせることで、様々なワーク形状に対応できる治具にしているそうです。
ロウ付けの際は温度が重要で、水を直接ワークに流し当てて温度調整を行っているそうです。冷やしすぎてもロウ付けがうまくいかないため、治具を設計・製作する過程で水の当たり方を調整した結果、図1の赤線で囲った面の曲げ角度を88° にしてワークを傾けることにしたそうです。

当初は「ワークを傾ける方法」として、ねじ止めする丸棒を曲げることにしたそう。丸棒をいくつも炙って曲げ、試行錯誤し「最適な角度」は見つけられたものの、丸棒を曲げる方法は人による手作業のため、治具製作の度に曲げ加減が揃いにくく、また曲げ作業自体に大変な手間がかかってしまいます。そのため設計を見直し、ベースとなるこの部品の「曲げ角度を変化させる方法」にたどり着いたそうです。

治具を使うことで、ロウ付け作業の効率アップにつなげていることはもちろん、治具自体の製作においても、作業効率を重要視して工夫されていることを感じさせられるエピソードでした。

第26回

今回は、左の図の部品。
波状の形が目を引くこの部品は、「レーザーで加工できる形」を意識して設計されたそうです。設計するにあたって、一番の目的は次のうちどれだと思いますか?

1.熱による変形を抑える
2.コストを抑える
3.材料を変更する

答え:『2.コストを抑える』

この部品は、「コスト抑える」ことを一番の目的に設計した板ばね部品です。
この形状に決まる前は、切削加工で製作できないか、ばね部品を組み合わせられないかなど、様々な設計を検討。しかしコストが予算内になかなか納まらず、苦戦していたそうです。

そこで、部品設計・製作時にレーザー加工に適した形状にすることで安くできた過去の経験から、曲げがない平板に変更し、板金加工の形状にすることで予算に納まるコストを実現。
さらに他の部品を組み合わせず、一つの部品で完成できるように波状の形を付けてばね機能も持たせました。

コスト削減を追求し、「形状変更したらmeviy FAで価格をすぐに確認」を何度も繰り返した末に、納得のいくこの形状が出来たそうです。

コストを抑えるための工夫や知見は、このように積み重ね広がっていくのだな、と感じられた部品でした。

第25回

今回は、左の図の部品。
検査装置の一部品で、他の部品に組み合わせて利用しますが、以下の何を目的として設計された部品だと思いますか?

1.保護するため
2.固定するため
3.補強するため

答え:『3.補強するため』

クイズになった部品(図1)は、「部品検査装置」を構成する部品の一部です。(図2)の部品を(図3)のように組み合わせて利用します。

(図1)が(図2)の部品の中に納まるように設計された目的は、「補強をする」です。(図2)の部品上部にはクランプを脱着する穴があり、そこにワークを固定して利用するそうですが、脱着の際に力がかかり捻じれて変形してしまうため、補強が必要だったそうです。

他の構造も検討したそうですが、部品の重量や材質などを考慮し、上手に力を受けられる設計を考え、今回のような「補強をする」ことを選択されたそうです。

L字箇所の曲げ部分は、「正直、加工屋さんに出すと嫌がられそうだな…」と思う設計ですが、meviyで加工可否を確認しながら微調整を繰り返すことで、思ったよりもスムーズに設計ができたそうです。

設計の際にはコストや材質、重量など加味する点が複数ありますが、様々な条件をクリアする「最適な設計」には、設計者の方の想いが詰まった試行錯誤がみられる部品だと感じました。

第24回

今回は、左の図の部品。
同じ形状の切り抜きが2つ並ぶ特徴的なこの部品は、切り抜き部分にワークをセットして利用します。この部品を設計する上で、難易度が高かった条件は次のどれだと思いますか?

1.寸法に制限がある
2.セットするワークが柔らかい材質である
3.設計経験がない

答え:『1.寸法に制限がある』

設計するにあたって条件や調整箇所が様々あり、試行錯誤を繰り返した部品だったそうですが、その中でも設計の難易度が最も高くなった条件は「寸法に制限がある」点だったそうです。この部品は加工機へ挿入する前に、ワークの位置決めをする治具部品の一部です。挿入先の加工機が小さいため、部品スペースが限られていました。

生産性を上げるため、できるだけ多くのワークをセットしたい。しかし、この部品はベースにネジ穴で固定する構造のため、余肉を考慮する必要があり、その上ワークは特徴的な形状。どの向きで寸法内に納めるか、大変悩まれたそうです。

最終的にワーク形状を全て納めるのではなく、はみ出す部分もつくることで、寸法内に2つセットできるようにしたそうです。難関突破したものの、「セットするワークとの間隔調整」が発生。固定のためにワークとの寸法を詰めることは大切ですが、詰めすぎると加工後のワークの取り出しが困難になってしまいます。適切な間隔を見つけるために、何度も調整を行い、探っていったそうです。

他にも課題が発生、その都度調整が続いたそうです。一つ一つの部品が、設計者の知恵で難点をクリアしてできあがっているのだな、と感じさせられました。

第23回

今回は、左の図の部品。
赤線で囲った2か所の曲げ部分は、設計時は付ける予定がなかったそうですが、ある理由で付け加えることになったそうです。その理由は次のどれだと思いますか?

1.コストを下げるため
2.強度を上げるため
3.脱着をしやすくするため

答え:『2.強度を上げるため』

この部品は、材質をアルミからステンレスに変える必要があり設計されました。ステンレスの方が重たい材質ですが「重量をできるだけ抑え、かつ強度は保つ」ことが条件でした。

まず重量を抑えるため、元のアルミ製の形状(図1)から、穴を追加して肉抜きをし、板厚も薄くしました。しかし、図2の矢印のように部品の上から下へ6kgの力がかかるシミュレーションで強度計算をしたところ、真ん中部分から折れてしまう結果に。

そこで 「強度を上げる」ために行ったことが、赤線で囲った2か所の曲げを付け加えることでした(図3)。この曲げが柱の役割となり、強度が強まったのです。

さらに重量を抑えるため、板厚調整後、シミュレーションすることを何度も繰り返したそうです。元の形状と比べると、試行錯誤された経過が感じられる部品ですね。

第22回

今回は、左の図の部品。
この部品は、手前にある3つの穴(水色部分)に重要なポイントがあります。以下のすべてが重要な点なのですが、その中でも特に重要なものは、どれだと思いますか?

1.穴の数
2.穴の位置
3.穴の深さ

答え:『3.穴の深さ』

この部品は製造ラインに使用する部品で「複雑な形状のワークを、均一な温度に保つにはどうしたらいいか」という命題から製作。
簡単に加熱・保温ができるリボンヒーターを製造ラインに巻き付ける方法も検討したそうです。しかし、均一温度を保つ必要がある部分(ワーク)がバルブを含む複雑形状のため「1.巻き付けることが難しい 2.ヒーターの温度が均一にワークへ届かない」という課題がありました。
そこで、ワークの外側をこの部品で覆い、水色部分の穴に棒状のヒーターを差し込むことにしました。ヒーターの熱はこの部品を伝ってワークに届くため、ヒーターとワークの距離はとても重要です。そのため、穴の数、位置、深さは、全て熱伝導を考慮して設定されています。

さらに、「穴の深さ」にはこだわりが。
差し込んだヒーターは、一定の位置で固定することも大切。そのため、あえて差し込む穴は貫通させていません。この部品の外形の長さは100ミリですが、穴の深さを99ミリに設定することで、差し込んだヒーターが下に抜けず、止まるようにしています。
差し込んだ後、イモネジでも固定するそうですが、人の手でヒーターの位置を一から固定するよりずっと効率的に。とても細かい点ですが、重要な工夫ですね。

第21回

今回は、左の図の部品。
これは自動エアブロー機のワーク受け治具部分の部品です。エアーで飛ばした汚れが治具に溜まってしまう課題に対し、部品の形状変更で改善しました。行った形状変更の内容は次のどれだと思いますか?

1.穴の中に段差をつける
2.穴の数を多くする
3.部品の外枠の角を2か所削る

答え:『1.穴の中に段差をつける』

今回の形状変更は、左図の赤線で囲ったエアーの出口になる穴に行いました。
当初段差がなくストレートだった出口に、段差をつけ小径に絞る形状変更を行うことで、エアーが通るときに段差部に負圧が生じるようになり、汚れ溜まりの低減化が実現できたそうです。

さらに、部品点数を2点から1点に変更することで、部品コストも改善。
これまでは2D図面が複雑になることを避けるため、2部品構成にしていたそうです。しかしmeviyなら3DCADデータのみで注文可能なので、部品を一体化させ1点にして、想定外のコスト改善ができたそう。

部品製作のきっかけは「摩耗による交換」だったそうですが、今回のように改善を重ねていくことで、治具もどんどん進化していくのですね。

meviyで簡単3ステップ見積もり

meviyは、3Dデータをアップロードするだけで、即時見積もり、
最短1日目で図面品を出荷する無料のWebサービスです。

1
いつものミスミVONAのアカウントでmeviyにログイン。
お手元の3Dデータをドラッグ&ドロップ。
2
「板金部品」または「切削プレート」をクリック。
3
「見積もり条件指定を続ける」をクリックするだけ!
表示された画面に納期と見積もりが表示されます。
Meviy